1 :2020/08/04(火) 06:50:10 ID:flNYA9Ry9.net
しかし、政府は一向に有効な手を打てないでいる。壊滅的な影響を受けている観光業を支援し経済を回そうとする「Go To トラベル」は迷走を続け、大規模イベントの解禁にも赤信号が点灯している。これは一重に、有効な感染コントロールができていないからだ。感染のリスクがあれば、国民は安心して旅行をしたり、経済活動を行うことはできない。
(中略)
【「検査数が増えたから感染者数が増えた」は不正確】
その一方で、過度の楽観も厳に慎むべきだ。若者の重症者も出始めており、高齢者、病院や介護施設での感染が既に広がってきている。さらに、感染経路が追えない感染者も増えている。重症者数が増加していないことをもって「心配ない」との意見もあるが、無症状の方も含め、感染自体が広がれば、当然、次のタイミングで重症者や死者も増えていく。
(中略)
また、「検査数が増えたから感染者数が増えただけなので心配ない」という指摘も正確ではない。感染が拡大トレンドになければ、陽性の結果が出る割合(検査陽性率)は、基本的に大きく変動しないはずだ。しかし検査陽性率はここ最近軒並み上昇しており、東京では過去1週間で倍増している。大阪ではすでに13%だ。 これは、感染者の増加に検査が追いついていないことを示している。
【無症状感染者対策が感染コントロールの鍵】
このような状況の中、無症状感染者の対策が、我が国の今後の感染コントロールのカギとなることは間違いない。 初動が遅れ、感染爆発を起こしてしまった英国のボリス・ジョンソン首相は、BBCのインタビューで「最初の数週間や数カ月間、(ウイルスを)十分に理解していなかった」「当初おそらく何より気づいていなかったのは、いかに無症状の人から人へと感染が広がっていたか」だと述懐している。
(中略)
【感染制御・社会経済活動を維持するための検査へ】
(中略)
事前確率(感染がどのくらい広がっているかどうか)によらずにPCRの利用を拡大することが必要である」と結論づけている。
【感度・特異度の議論はもうやめよう】
(中略)
反対論の方々の指摘には2点大きな問題があると考えられる。まず、PCR検査の特異度については、様々な精度管理により、特異度はほぼ100%だ。PCRはウイルスの遺伝子そのものを見ているために、実際の特異度は99.99%以上と報告されているが、検査拡大に反対する厚労省や医療機関の関係者の方々はなぜか99%ジャストの値を用いて議論されている。
(中略)
【唾液やのどの粘膜にウイルスがいるかどうかが重要】
感染防止を目的とした場合には、唾液やのどの粘膜にウイルスがいるかどうかが重要で、コロナに感染しているのにウイルスが見つからず、臨床診断的に「偽陰性」になったとしても、実は大きな問題ではない。PCR検査を行えば唾液やのどの粘液の「感染性」を直接みることができるので、感染制御を前提とした場合には「偽陰性」という概念は消え去る。
つまり、感染制御や社会経済活動の維持のためのPCR検査には、感度や特異度に基づく議論は基本的にはあてはまらないし、そもそも、PCR検査は他の多くの検査に比べても優れた検査であることを忘れて議論されてしまっている。
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文春 7月31日 渋谷 健司
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