1 :2020/07/27(月) 00:32:57.40 ID:CAP_USER9.net
2018年に福田雄一監督がドラマ化した『今日から俺は!!』(日本テレビ系)を映画化した『今日から俺は!!劇場版』が劇場公開され、先週末の国内映画興行ランキング(興行通信社調べ)第1位を獲得した。
1980年代を舞台に不良高校生の三橋貴志(賀来賢人)と伊藤真司(伊藤健太郎)がケンカと恋に明け暮れる姿を描いた本作は、
舞台となる80年代の懐かしいあるあるネタが次々と展開されると同時に、福田が得意とする脱力ギャグと不良同士の激しいケンカが描かれる。
緩いところはとことん緩いが、リアルなところは徹底してリアルという緩急のバランスは福田雄一ならではのもので、80年代をリアルタイムで体験した大人から小学生まで幅広い支持を獲得。
そんな人気作の映画化なのだから、話題にならないはずがない。
新型コロナウイルスの影響で新作映画の公開が減り、再上映されている宮崎駿のアニメ映画3作がトップ3を独占していた中で、首位が入れ替わったのは実にひさしぶり。
公開6日目で興行収入は10億円を突破した。感染対策のため映画館の座席が半分に間引きされている中でのヒットは、映画界にとって明るいニュースだと言えるだろう。
同時にこういう時に人々が求めるものは、やはり楽しいコメディなのだと実感させられる。
一方、先日までテレビ東京のドラマ24枠では、福田が全話の脚本・演出を手掛けた『勇者ヨシヒコと魔王の城』の傑作選が放送されていた。
同枠で放送されていたドラマ『浦安鉄筋家族』の休止にともなっての再放送だったのだが、これはテレビ東京の公式LINEアカウントが「もう一度見たい深夜ドラマ」を募集したところ、もっとも熱いリクエストがあったため選ばれたものだ。
やはり、このコロナ禍に人々が求めるものは楽しいコメディであり、少しでも現実を忘れられるようなファンタジーなのである。
ファンタジーRPG(ロールプレイングゲーム)『ドラゴンクエスト』(スクウェア・エニックス)シリーズの世界観をベースに作られた本作は、低予算を逆手にとって、武器やモンスターをハリボテで制作しているのだが、
そのチープな手触りがファミコンやスーパーファミコンのレトロゲームを遊んでいるような楽しさがある。基本的にはくだらないやりとりを延々と繰り広げるだけの話で観ていて癒やされる。
その意味でも「肩に力の入っていない気軽に楽しめるコメディ」なのだが、緩い空気だからといって雑に作られているというわけではない。
むしろ、細部のディテールはものすごく凝っていて、チープに見えるシーンも戦略的に練られたものだと観れば観るほど実感する。
これは『今日から俺は!!』も、映画『銀魂』もドラマ『アオイホノオ』(テレビ東京系)といった他の作品も同様で、特に福田が演出と脚本を手掛けているものは、それが徹底されている。脱力ギャグにばかり目が行きがちだが、実は卓越した世界観を構築する映像作家なのだ。
福田雄一は、劇団ブラボーカンパニーの座長として舞台を手掛ける一方、フリーの放送作家として『笑っていいとも!』や『SMAP×SMAP』(共ににフジテレビ系)といったバラエティ番組に参加。
同時に映画やテレビドラマの脚本も多数てがけているが、映像作家としてのカラーが確立され、大きく注目されるようになったのは脚本と演出を担当した堂本剛主演の『33分探偵』(フジテレビ系)だ。
本作もまた、チープさを逆手にとったコミカルなミステリードラマだったが、同時に感心したのがコメディ俳優としての堂本剛の魅力を見事に引き出していたことだ。
元々、福田は堂本が19歳の頃からバラエティ番組などで交流があり、お互いの家に遊びに行ったり、いっしょに釣りに行くような仲だった。
だからこそ福田は、彼の魅力を熟知していた。
俳優としてはナイーブな青年役を演じることが多かった堂本をあえてコメディに抜擢。
新たな才能を引き出すことに成功した。
逆に『銀魂』では悪役の高杉晋助に抜擢。悪役を演じる堂本を見たいというのは福田の悲願で、この先の堂本のキャリアを考えて、やるべきだと福田が推したことで実現した。
どちらも見事なキャスティングである。堂本を筆頭に、ナイーブな好青年を演じていた主演級の若手男性俳優が福田のコメディ作品に出演することで大化けするケースは多い。
続きはソース先で
https://news.yahoo.co.jp/articles/a1c121c25654fa8c62c96e38d09c5d1eaa236f31?page=1