1 :2020/07/03(金) 14:25:32 ID:7FpaOURW9.net
「国内では第1波を乗り越えたが、ウイルスを完全に排除できたわけではない。感染拡大した都内ではくすぶりが続いていた」。東邦大教授で日本感染症学会の舘田一博理事長は現状が第2波ではなく、第1波の再燃との見方を示す。
4月7日の宣言発令後、都内の新規感染者は同17日の206人をピークに収束に向かい、5月23日には2人まで抑え込んだ。一方でゼロには至らず、同25日の宣言解除後は再び増加に転じた。その増加傾向は、第1波の3月下旬から4月上旬に重なってみえる。
隣接する神奈川、埼玉、千葉各県への伝播(でんぱ)も顕在化。東北医科薬科大の賀来満夫特任教授(感染症学)は「都内の感染状況は全国に影響を与え、大規模な流行になる可能性を秘めている。検査を徹底した経緯はあっても、第2波の前段階につながっていくと捉える必要がある」と指摘する。
小池百合子知事がこれまで冷静な姿勢を維持してきたのは検査態勢の拡充と、盤石な医療態勢に裏打ちされていた。3月下旬〜4月上旬の検査件数は最大500件程度だったが、6月以降はホストクラブでの集団検査もあり、2千件を超える日が珍しくない。症状の軽い若者が多く、病床にゆとりがあるのも大きい。
小池氏は「夜の街」への訪問自粛を求める一方、再度の休業要請には否定的とされ、第2波に備えた新指標でも休業要請などの基準設定を避けた。都関係者は「前回のように経済を止めることはできない。第1波より対応の難易度は高い」と話す。休業補償のための財政的な余裕もない。
こうした思いは政府側とも共有され、緊急事態宣言の再発令には後ろ向きな発言が相次ぐ。加藤勝信厚生労働相は2日の取材に「まずは感染状況をしっかり分析することが大事」と強調。諮問委員会の尾身茂会長も同日の参院厚労委員会の閉会中審査で「前と同じような強力な要請や自粛を求めることは、国民的なコンセンサスが得られない」と否定的な考えを示した。
感染経路については、都の聞き取り調査などでリスクの高い場所、環境が浮き彫りになっている。
最も目立つのは、ホストクラブやキャバクラなどの「夜の街」関連の店舗だ。接客の際に体を密着させ、大声で盛り上がることがあり、飛沫(ひまつ)を浴びやすい。換気も不十分とみられ、新宿や池袋では従業員、客の双方で感染が広がる。
類似業種では対面で接遇するガールズバーの客や、秋葉原にあるメイドカフェの従業員の感染も確認された。職場の同僚らのグループで、マスクを外して会話を弾ませる会食が感染源となるケースも見逃せない。
東北医科薬科大の賀来満夫特任教授(感染症学)は「人と接する中でのリスクをどれだけ抑えられるかが重要。以前よりマスクをしていない人も見受けられ、危機意識が薄くなっていると感じる」と指摘する。
一方、混雑が戻りつつある通勤・通学時の電車のリスクはどうか。東京医療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)は「乗車時間が限られ、会話もほとんどない。最近は換気も徹底され、リスクはそれほど高くない。明確にハイリスクな場所の対策強化が求められる」と訴える。
産経ニュース 2020.7.2 20:36
https://www.sankei.com/life/news/200702/lif2007020040-n2.html