1 :2020/06/28(日) 00:12:12 ID:Z5JUxvm09.net
「緊急事態宣言が解除されてからも、テレワークが中心です。通勤時間がなくなった分、朝寝坊しているせいか、仕事と家事に追われてかなりの“夜型生活”に。睡眠時間は以前と変わらないはずなのに、先日は大事なネット会議中についウトウト…。なんだか最近、常に眠くて、体もだるい気がします」
ただの眠気だとあなどってはいけない。あなた自身や周囲の人間に死をもたらすほどの重大リスクが隠れているかもしれないのだ。
◆“抗えない居眠り”が死に至る大事故に
慢性的な睡眠不足が続くと、私たちの体はどうなるのか。米スタンフォード大学医学部精神科教授で、『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)の著者、西野精治さんが解説する。
「長期にわたって不足した睡眠のことを“睡眠負債”と呼びます。借金を重ねるのと同じように、睡眠不足が続いて“返済”できないと、自覚のないままに心身に大きなダメージを与えます」(西野さん・以下同)
睡眠負債がたまると、無意識のうちに瞬間的に居眠りをする「マイクロスリープ」という現象が起こる。
マイクロスリープとは、自分でも気づかない間に1〜10秒ほどの居眠りをして、意識が飛ぶ現象のこと。3〜4日ほど睡眠不足が続くと起こりやすくなる。
「“強制的に脳を休ませる”という防衛反応なので、自分の意思では止められません。多くの場合、“ウトウトしてしまった”という自覚すらなく、目が覚めてから“いま、居眠りをした”という実感すらないのが特徴です。たとえば、車の運転中にマイクロスリープが起こると、大事故につながってしまいます」
事実、原因不明の事故の多くは、マイクロスリープによるものだといわれている。
たとえば、1989年にアラスカ沖で発生したエクソン・バルディーズ号原油流出事故は、運転していた航海士のマイクロスリープが原因だという説が有力だ。“抗えない居眠り”により、4万キロリットル以上の原油が海に放たれたのだ。
「アメリカで長距離トラックの運転手を調査したところ、マイクロスリープが多発していたことがわかっています。2012年、関越自動車道でツアーバスが防音壁に激突し、乗客7人が死亡した大事故がありました。運転手が睡眠時無呼吸症候群だと診断されており、マイクロスリープが原因だと考えられています」
西野さんは、睡眠負債による経済損失の大きさは計り知れないと指摘する。
「睡眠負債がたまっていると、脳の働きは酩酊状態のときと同じくらいのレベルにまで低下します。前述の事故も合わせると、日本だけでも年間約15兆円もの経済損失が睡眠負債によって出ています」
さらに近年、睡眠負債は寿命に悪影響を及ぼすこともわかってきた。
アメリカの研究では、睡眠時間が平均よりも3時間短い人は、6年後の死亡率が1.3〜1.4倍ほど高いという結果が出ているのだ。
「睡眠負債がたまると、ホルモンの乱れなどから血圧や血糖値が上昇したり、神経機能の低下によりうつ病になりやすくなったりする。がんの発症リスクも上がります」
しかも、“負債”というからには、借金と同じで、簡単に帳消しにはできないのだ。こんな実験がある。
「ほんのわずかな睡眠負債でも、“完済”には非常に長い時間が必要です。アメリカで、健康な男女8人を対象に一日中好きなだけ眠ってもらう実験をしたところ、1日につき平均40分というわずかな睡眠不足を解消するまでに、毎日12〜14時間の睡眠を3週間も続けなければなりませんでした」
2018年のOECD(経済協力開発機構)の調査では、日本人の睡眠時間は平均して7時間22分。調査対象国の中で最も短い睡眠時間だった。西野さんが指摘する。
「この数字はあくまで平均。日本人の40%は、1日の睡眠時間が6時間以下だといわれています。充分な睡眠が取れているかどうかは、休日の眠り方でわかります。普段からきちんと眠れていれば、休日と平日の睡眠時間はそれほど変わらない。“休日は平日よりも2時間以上長く眠る”という人は、睡眠負債がたまっている可能性が非常に高い」
あなたも睡眠負債がたまっている可能性がある。画像のチェックリストで確かめてほしい。
※女性セブン2020年7月9日号
NEWSポストセブン 2020年6月27日 16時5分
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/18484056/