1 :2020/06/23(火) 16:30:50 ID:GKtvJSQf9.net
お笑い第7世代が席巻 第1世代からの歴史とそれぞれの特徴
最近、「お笑い第7世代」と呼ばれる20代の若手芸人を中心としたブームが起きている。
芸能界は「年齢=芸歴」ではないため明確に“世代”の境界線を引くことは難しいが、お笑い評論家のラリー遠田氏が戦後ニッポンのお笑い芸人を大きく7つの世代にわけて、その特徴を分析した。
第1世代にあたるのは、1970年代に一世を風靡したコント55号の萩本欽一や志村けんを擁したザ・ドリフターズといった芸人である。
彼らは、テレビが娯楽の中心だった時代に数々のコント番組を持ち、国民的なスターとなった。
第2世代の代表格はタモリ、ビートたけし、明石家さんまの「お笑いBIG3」だ。たけし、さんまの出演する『オレたちひょうきん族』では、芸人同士がお互いの秘密を暴露し合うような“内輪ノリ”の新しい形のコントが若い世代の視聴者に支持された。
これによってザ・ドリフターズが出演していた裏番組の『8時だョ!全員集合』は終了に追い込まれた。
第3世代と呼ばれるのはとんねるず、ウッチャンナンチャン、ダウンタウンといった面々。彼らは上の世代の芸人に対抗心を燃やし、新しい価値観の笑いを生み出していった。
彼らはフジテレビのゴールデンタイムに自分たちの名前を冠したコント番組を持ち、そこで独自の笑いを追求していった。
第4世代の筆頭はナインティナインやロンドンブーツ1号2号である。この世代の芸人の精神的支柱となった番組が『めちゃ×2イケてるッ!』である。
ナイナイを中心にして、極楽とんぼ、よゐこなどが脇を固め、ドキュメンタリー風の演出を取り入れた新しいお笑い番組の形を確立した。
また、『ボキャブラ天国』をきっかけに若手芸人ブームが起こり、ここに出ていた芸人たちが一時的にアイドル的な人気を博した。
しかし、その後もテレビで生き残れたのは爆笑問題、くりぃむしちゅー、ネプチューンなど極々少数の芸人だけだった。
第4世代の時代には、個々の芸人よりもテレビの作り手の方が力が強くなっていた。「誰がやるか」よりも「何をやるか」の方が重視されるようになったということだ。
芸人の名前を冠したコント番組は消滅し、芸人がテレビに首根っこをつかまれる時代になった。
6世代で芸人が“急増”
第5世代の芸人はネタ番組から出てきた人が多い。この時代の代表的なネタ番組が『爆笑オンエアバトル』と『M-1グランプリ』である。
オンバトからはアンジャッシュ、タカアンドトシなど、M-1からは中川家、フットボールアワー、ブラックマヨネーズなど多数の芸人が輩出された。
第6世代の芸人の特徴は、とにかく芸人の数が圧倒的に多いということだ。それまでいくつかあったお笑いブームの影響で、芸人志望者が年々増えていた。
それらを取り込むためのネタ番組も多数生まれた。特に『エンタの神様』は社会現象になるほどのブームを生み出した。
『M-1』『R-1ぐらんぷり』『キングオブコント』といったお笑いコンテスト番組も増えて、ネタが面白い芸人がチャンスをつかむという風潮が一般的になった。
第7世代とは、主に「平成生まれ」の芸人を指す。彼らをめぐる状況が一気に変わったのが2018年だった。
この年、『キングオブコント』でハナコが優勝し、『M-1』で霜降り明星が優勝した。いずれも20代中心の若い芸人ばかりだった。
その後、霜降り明星のせいやがラジオ番組の中でふと口にした「第7世代」という言葉が独り歩きして、彼らと同世代の芸人が何かと注目されるようになった。
彼らの特徴は、お笑い界の上下関係にあまり縛られていないことと、テレビに対するこだわりが薄いことだ。
物心ついた頃からネットやスマホに慣れ親しんでいる彼らは、ユーチューブなどのメディアに対する偏見も少なく、テレビを絶対視していない。彼らがこれからのお笑い界を支えていくことになるだろう。