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学校再開 各国が対応に苦慮 登校拒否の保護者も続出

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1 :2020/05/31(日) 09:01:33 ID:8U7H7qrO9.net

 世界では、新型コロナウイルスの感染拡大が下火になった国々が、新しいルールの下で学校を再開させている。欧州では社会的距離や人数制限などの工夫を凝らすが、保護者らの懸念は消えず、韓国ではナイトクラブの集団感染が学校にも飛び火。一方、収束が遠い米国や中東は、再開を夏以降まで断念。受験生からは、入試への不安の声も上がっている。 (新型コロナウイルス取材班)
◆人数制限しても‥
 欧州で、いち早く再開に踏み切ったのは北欧デンマーク。感染者の減少などを受け、外出制限導入から約一カ月後の四月十五日、まず保育園や小学校を再開させた。家庭学習が難しいとの理由で、年少児を優先させた。
 英メディアによると、小学校は一教室に児童十人強までとし、机は二メートル以上の間隔に。運動場の利用はグループごとに指定し、登校時間もずらした。
 しかし、感染の不安から登校を拒む保護者が続出。会員制交流サイト(SNS)では「私の子どもはコロナのモルモットではない」と題したグループができ、約四万人が登録した。フレデリクセン首相は「ウイルスは制御下にある」と訴え、今月十八日には年長の生徒にも対象を広げた。
 ドイツは各州の判断で今月から段階的に再開。道路用のコーン標識やテープを使って子どもの動線を「一方通行」にしたり、重症化リスクが高い六十歳以上の教員らは自宅で添削に取り組んだりと、州や学校ごとに対策は異なる。
 授業時間が減って家庭学習が重要になるが、九歳と十一歳の息子がいるベルリン在住のヤナ・プリマーさん(43)は「親に子どもの勉強を見られる余裕がなければ、学習効果は上がらない」と危惧する。
◆塾講師から感染
 韓国は、三月上旬から中止していた幼稚園、小中学校、高校を今月二十日から段階的に再開した。ほぼ全校で、登校時の検温やせきの有無の申告、マスク着用などの対策を取る。給食時間はついたてで生徒同士の接触を減らし、私語を禁じる学校も多い。
 ただ、今月上旬からソウルのナイトクラブで発生した集団感染の余波は、学校にも及んだ。
 韓国は教育熱が高く、習い事に通う子どもが多い。仁川(インチョン)市の学習塾では、集団感染の現場となったソウルのクラブを訪れていた男性講師から多数の生徒に感染し、市内の高校六十六校が二十日に緊急下校の措置を取った。ソウル市でも、子ども百人が通う美術教室の講師の感染が確認され、市内の小学校や幼稚園百カ所以上が二十七日に登校、登園を中止した。
◆推薦や面接重視
 一方、感染拡大が収まらない米国では、ほとんどの州で新学期に合わせ、夏以降の再開となる見通しだ。
 米疾病対策センター(CDC)は今月、学校再開にあたっての指針を公表。席は二メートルの距離を保ち、登下校時間をずらすなどのほか、感染者と接触した場合は自宅にとどまるよう提言。学校は欠席をマイナス評価とせず、オンライン学習を継続することも求めた。米メディアによると、各大学は入学審査でテスト成績以外の推薦状や課外活動、面接などを重視することを検討している。
 同じく九月の新学期まで再開を断念したエジプトは、全国六十五万人が臨む統一大学入試を二週間延期し、六月二十一日から実施する。
 政府は受験生を一教室十四人に制限し、各会場に医師を置くなどの対策を取るが、ツイッターには受験生らが「試験を拒否する」とのハッシュタグで多くの反対意見を投稿。工学部を目指すムスタファさん(19)は「自分たちの未来を決める大事な試験。感染が落ち着いてから実施しても遅くない」と再延期を訴えた。

東京新聞 2020年5月31日 07時51分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/32334

各国の学校再開の状況(一覧表)
https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=32334&pid=40792