1 :2020/04/22(水) 20:11:02 ID:heWzLG2Q9.net
東京 江戸川区の訪問介護事業所「東京ケア」の所長を務めている滝口恭子さんは、30人ほどのヘルパーとともに月1000件余りの依頼に対応してきました。介護現場の中でも特に人手不足が深刻な訪問介護では、70代以上のヘルパーも第一線で現場を支えていて、この事業所にも70代以上の高齢ヘルパーが3人います。
ところが、東京など7都府県に法律に基づく緊急事態宣言が出されたあとこのうち2人から「仕事を休ませてほしい」と申し出がありました。1人は慢性疾患があり、いずれも介護の仕事を通じて新型コロナウイルスに感染するおそれがあるとして仕事を続けることに家族から強く反対されていたということです。
10年以上の経験があるベテランの2人は事業所にとって欠かせない存在でしたが、利用者とヘルパー双方の安全を確保しなければならず、本人たちが「もう退職するしかないかもしれない」などと悩んでいたことから、滝口さんはやむをえず2人のヘルパーを来月6日まで休職させる決断をしました。
ヘルパーは1人で利用者の自宅を訪問することが多く、限られた時間で、食事の準備のほか体調や服薬の確認などさまざまなことに対応しなければなりませんが、感染拡大を受けデイサービスの自主休業の動きが広がる中、自宅にいる時間が長くなった高齢者から食事や買い物の支援を求める依頼が増えているため、現場はますます忙しくなっています。
滝口さんは、毎日シフトを組み替えながらなんとか利用者に影響が出ないよう対応していますが、ヘルパー一人一人の負担は増える一方だということです。
滝口さんは「こうした状況が長く続くと、年齢も年齢なのでいつかは退職しなければいけないと思いながら仕事を続けてくれていた高齢のヘルパーたちが退職しようという気持ちを加速させてしまうのではないかと、とても不安です。介護の現場は医療現場と同じように大変な状況ですが、光が当たらずヘルパーたちは心が折れかけています。最も求められる処遇の改善はすぐに実現できるものではありませんが、せめて最前線で頑張っているヘルパーに『頑張っているね』などと声をかけてもらえると励みになると思います」と話していました。
NHKニュース 2020年4月22日 20時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200422/k10012401081000.html