1 :2020/04/09(Thu) 15:36:43
本当は今頃、ヨーロッパにいるはずだった。世界でも評判の脱出ゲームのために、ギリシャを訪れる予定だったのだ。
ヨーロッパで新型コロナウイルスによる肺炎で初の死者が出たのは2月15日。
しかし2月下旬までは、それほどの危機感もなかった。むしろ心配だったのはアジアからの訪問者が隔離される危険性だ。
実際、3月5日にハンガリーで咳をしていた日本人15人が病院に隔離されるという事件も。
それからの1カ月は映画のようだった。それは、漠然と人々が夢想していた「理想のヨーロッパ」が瓦解する期間でもあった。
欧州はよく「高福祉高負担」の福祉国家として紹介される。
実際、税金が高い代わりに保育園が充実していたり、大学や病院がほとんど無料という国も多い。
しかしそれは医療水準の高さを意味しなかった。
イタリアは国民負担率の高い国の一つであるが、新型コロナに対しては実質的な医療崩壊が発生し、多くの死者が発生してしまった。
フランスやスペインも危機的な状況である。
21世紀の欧州各国では福祉国家の「縮小」が進んできた。
それが今回の医療崩壊の遠因ではないかという指摘もあるが、少なくともヨーロッパを「理想の福祉国家」と考えることはできなくなってしまった。
何せ危機の時、国民の命さえも救えないのだから。
コロナで「理想の福祉国家ヨーロッパ」が瓦解(古市憲寿)
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/04090555/?all=1