1 :2020/04/04(土) 19:46:37
【4月4日 AFP】イタリアで2日、同国における新型コロナウイルス感染の中心地となったミラノ(Milan)近郊に
ロシア政府が派遣した医療チームの中に、ほぼ間違いなくスパイが潜入しているとする専門家の主張を
メディアが報じ、その後両国政府が舌戦を展開した。
伊スタンパ(Stampa)紙が、「彼らの中に間違いなく、(ロシア軍の情報機関である)参謀本部情報総局(GRU)の将校がいる」とする、
北大西洋条約機構(NATO)に所属していた化学兵器専門家へイミッシュ・デブレットンゴードン(Hamish De Bretton-Gordon)氏の
コメントを掲載したところ、ロシア政府は直ちに激烈な反論を展開。同国の国防省は、スタンパが「言論の自由という理想を盾に」して
「反ソビエトのプロパガンダ」を思い起こさせる話を広めたと非難した。
ロシアは先週、イタリア北部の病院と介護施設での消毒作業に協力するために104人の医師と専門家チームを派遣した。
イタリア政府発表の新型肺炎による死者1万4681人のうち、半数以上は同地域に集中している。
これに対してイタリア政府は、「ロシアの支援には感謝するが、ロシア国防省の報道官による一部の不適切な表現は
聞き捨てならない」として、「表現の自由と批判する権利は、わが国の基本的な価値観だ」と主張した。
スタンパは、同紙が「ロシアの人道支援を中傷する記事を掲載して目立とうとしている」とするロシア側の主張は
「遺憾だ」として、同国はイタリアにとって「非常に困難な時期に友情と連帯を示してくれている」と今なお考えていると回答している。
イタリア政府によれば、ロシアの医療チームは研修後、ミラノ近郊の野営病院で患者の治療を開始することになっている。(c)AFP/Dmitry ZAKS