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2020/03/01
https://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/742104.html
トイレ紙、在庫潤沢 デマで買い占め「冷静に」 富士の業界憂慮 2020/3/1 06:53
新型コロナウイルスの感染拡大に伴うデマの影響で、静岡県内各地の量販店やドラッグストアの店頭からトイレットペーパーなどが品切れになっている。政府高官が買い占めの自粛を要請したが、29日には富士市の製紙メーカー直売店に客が詰め掛け、在庫は十分あるのに販売が中止に追い込まれた。トイレットペーパーの原材料不足など根拠のないデマが発端とされ、家庭紙の国内シェア3割を誇る富士市の業界関係者は「在庫は潤沢」と、消費者に冷静な対応を求めている。
29日朝、林製紙(同市比奈)の直売店前には市内外からの車で列ができ、周辺交通はまひ状態に。店舗裏の倉庫には在庫が山積みされていたが、影響を考慮して販売は中止された。通販も手掛ける同社には全国から電話での問い合わせも相次ぐ。同社担当者は「東日本大震災でもここまでではなかった。在庫はあるのに異常だ」と、驚きを隠さない。
同市内の量販店でも大勢の買い物客が両手にトイレットペーパーを抱えて列をつくった。50代の主婦は「家に買い置きはあるが、不安で手が伸びた」と明かす。
富士市内の20社が加盟する市地域再生家庭紙利用促進協議会によると、2016年度の家庭紙の国内シェアは出荷額ベースで34・7%。直近のトイレットペーパーの生産量は33・5%に上る。協議会加盟社で、トイレ紙製造の市内最大手でもある丸富製紙の日向孝夫常務は「原材料の古紙とパルプは国内で調達していて各社とも在庫も十分。無くなることはあり得ない」と断言。買い占めによる急激な消費増で、店舗への配送が追いついていないだけと現状を分析した。