1 :2020/01/18(土) 11:10:44.22 ID:dlqWy3FJ9.net
40歳から64歳の人口のうち、ひきこもりは61.3万人
事件よりも前に、内閣府は初めて40歳以上のひきこもりに関する調査結果を公表していた(2019年3月)。調査対象者の1・45%がひきこもり状態だったことから、40歳から64歳の人口のうち61・3万人がひきこもり状態という推計が発表された。ひきこもりとは、就労や就学などをせずに6ヶ月以上にわたって家庭内にとどまる生活を続けている状態として定義されている。
なぜ、いまひきこもりに関する問題が深刻化しているのか。現在の40代・50代は未婚率が高く、そのなかで親元で同居している人や、就業していない人も増えている。国勢調査によれば、2005年に40代・50代の未婚で親と同居している人は193・2万人で、そのうち51・9万人は非就業の状態だった。2015年には未婚の親同居者は339・8万人、非就業者は77・3万人に増えている。
多くの家庭では、親が元気なうちは経済的にも精神的にも子どもを支えることができたが、やがて年老いてくるにつれて生活上の不安を抱えるようになる。親の要介護や、一家全体の経済的困窮など、複数の課題を抱えている家族も少なくない。このように、高齢の親と未婚や無職の子どもが同居することから生じる生活上の問題は「8050問題」と呼ばれるようになった。
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親子共存年数は60年
8050問題は単にひきこもりの長期化だけを意味しているわけではない。長寿化による人口全体の高齢化、若者の雇用の不安定化や未婚化などが重なり、今までにない社会問題が生み出されている。長寿化により、子どもが成人してからも「親子」として生活する時間が長くなり、2000年には親子共存年数が、平均でおよそ60年に達したという。介護離職のように子どもが親を支える場合、逆に親が子どもを支える場合にも、長い親子関係のなかで生じるリスクは、もはや一部の人の課題とは言えなくなっている。
親が無職の子どもを支えていることを周囲に知られないまま、親子双方が孤立を深めていることも多い。親が亡くなっても子どもが適切に手続きを取れず、遺体遺棄の罪に問われる事件が各地で報道されている。
外部に助けを求めることができない親たち
なぜ、こうした結果に至るまで外部に助けを求めることができないのか。ひきこもりについて相談できる場所として、ひきこもり地域支援センターや生活困窮者自立支援法による相談窓口が各地に開設されている。しかし、ひきこもる子を持つ親たちが、外部に相談することは簡単ではない。
親自身が、家の問題を話すことに恥ずかしさを感じたり、自分自身の責任と感じたりして子どものことを隠してしまうのだ。「勇気を出して相談したが、親の子育て方針を批判されただけで、解決策を助言してもらえなかった」など、過去に相談した経験から無力感を味わっている親たちもいる。また、支援を受けることを提案すると本人から反発を受ける、時には暴力を振るわれるなど、親子関係も不安定になりがちである。
一般的に、ひきこもり状態を解消するための支援や就労支援は、ひきこもる本人の生活を一変させるような提案と受け取られかねない。そのため、むしろ大きな問題がなければ「今のままでいい」という考えに傾きがちである。
従来の支援は「こころの健康相談」「就労支援」など分野ごとに縦割りになっており、ひきこもる本人のニーズに柔軟に応えるものになりにくい面がある。それに対し、縦割りの壁をなくし、長期にわたって信頼関係を築きつつ、相手に合わせた柔軟な提案を行っていくような伴走型支援が求められている。筆者は、ひきこもりの支援に取り組むNPO法人などから協力を得て、伴走型支援の事例を収集した(詳しくは川北稔『 8050問題の深層:「限界家族」をどう救うか 』)。
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1/18(土) 11:00配信 全文はソース元で
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200118-00021794-bunshun-soci&p=2