1 :2019/12/26(木) 13:45:35.14 ID:iELvex450.net
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冷え込み厳しい冬の日。関東に住む女性(80)の家に、「引きこもり自立支援」をうたう
民間業者がやってきた。同居する長男は当時40代半ば。仕事を辞めて部屋に
引きこもるようになり、既に20年が過ぎていた。
スタッフ5人が部屋に入って30分ほど後、長男は出てきた。「すごく泣きました」とスタッフ。
女性は着替えを詰めたスーツケースを持たせ、「頑張ってね」と声を掛けた。長男はうつむき、
無言で家を出て行った。
女性が最後に見た長男の姿だった。
* *
業者を知ったのは2017年1月。ホームページの「必ず自立させます」という言葉にひかれ、
東京都内の本部に相談に行くと、スタッフに「早い対応が必要」と促された。提示された
契約金は900万円超。自宅を売る段取りをして準備した。
長男は都内の施設に入り、その後、提携する熊本県内の研修所に移った。ほどなくして、
業者から「熊本で就職した」と報告を受けた。自立を妨げないようにと、女性は連絡を控えていた。
今春になって突然、業者から電話が入った。「息子さんが亡くなりました」
* *
女性は警察署で痩せこけた長男の遺体と対面した。ひげが数十センチ伸びて、
脚は骨と皮ばかりになっていた。遺体が見つかったアパートの室内には、ごみ袋や
ペットボトルが散乱し、冷蔵庫は空。「元気で仕事をしていますか」とつづった女性の手紙が、
血の付いた状態で残されていた。
死亡推定日は1〜2週間前。「食べるものがなく、餓死したのでしょうか。一体、どうして…」
アパートにあった離職票や金融機関の口座を調べると、17年12月に介護施設に就職し、
翌年7月に退職。それから8カ月ほどし、家賃や電気料金の引き落としが滞っていた。
「業者が丁寧にフォローしてくれていれば、こんなことにならなかったのでは」。熊本に移る前、
女性は業者に400万円近くを追加で支払っていた。その際、研修終了後も月2回、長男と
面談すると約束してくれたはずだった。
女性が経緯を尋ねても、業者側から詳しい説明はない。