1 :2019/12/21(土) 20:14:23.26 ID:XAJhwfUr9.net
頭をなでつつ1時間以上ダメ出し…。夜のファミレスで遭った「ダブルバインド母」
中学受験に挑むのは、よりよい教育、子どもに合った教育を受けさせたいという親の気持ちや、この学校に行きたいという子どもの思いなど様々な理由があるだろう。素晴らしい教育環境に身を置きたい、置かせたいと思うのは当然のことだ。
ただ、時として親の思いだけが走る「教育虐待」で子どもを縛ってしまう例もある。長年教育の現場を取材してきたジャーナリストのおおたとしまささんは『ルポ 教育虐待』という本も上梓し、親の思い通りにしようとする虐待についても詳細に伝えてきた。
そんなことは我が家ではない、子どもの意思を大切にしているから――そういう家庭の中でも、もしかしたらこんな「ソフトな洗脳」となっている場合もあるのではないだろうか
東大・京大・早慶以外はもんだいがーい♪
子どもの人生は子ども自身に選ばせるべきであることは、現代の親であればほぼみんな頭では理解している。しかし幼い子ども自身が最初から世界を知っているわけではない。多くの場合、親という窓を通して世界を覗き、そのなかから良さそうなものを選んでいく。その窓自体に最初からフィルターがかかっている場合がある。
知人から、こんな話を聞いた。都心の高級住宅地の坂道を、親子が楽しそうに手をつなぎ、歌いながら歩いていた。子どもは7歳くらいの女の子で、私立小学校とおぼしき制服を着ている。母親はおとなしめの紺色のスカートスーツを着ている。遠くから見れば微笑ましい風景だ。
しかし歌詞が聞こえてきて戦慄を覚えた。「とーだい、きょーだい、わせだにけいおう! ○○、△△はもんだいがーい!」。○○と△△には有名私立大学の名前が入る。まるでテレビドラマのワンシーンのようだが、実話である。
この状況で、その女の子が「わたし、東大に行く!」と言ったところで、それは本当に彼女の選択なのだろうか。「だったら、中学受験でA中学か、B中学には入らないとね!」などと母親は言うのだろう。「あなたが選んだことだから、お母さん、全力で応援するから!」とも。
親自身が子どもに「ああしろ」「こうしろ」という指示はしない。あくまでも子ども自身に選ばせる。しかし子どもの選択は無意識の中であらかじめ狭められている。まるで「ソフトな洗脳」である。
いつの間にか子どもの前にはレールが敷かれる。いちどレールができてしまえばしめたもの。子どもがそこをそれようものなら「いまさら何を言っているの!? あなたがやるっていったんじゃない! 最後までやり通しなさい」と叱る正統な理由を親は得る。
息子ではなく息子の学校を誇る父親
そうして挑んだ中学受験で、“幸運”にも思い通りの結果が出なかったりすれば、強い親子間葛藤の末に、親も非理性的信念を捨て去らざるを得なくなる。そこで親は成長し、子は「ソフトな洗脳」から解き放たれる。しかし“不幸”にも思い通りの結果が出てしまうと、「ソフトな洗脳」は続く。
“不幸”な子どもは、親が自分自身を誇ってくれているのか、受験の結果得られた学校のブランドを誇っているのか、なかなか判断がつかない。□□中学や□□高校という大きな看板を外した自分にどんな価値があるのかわからない。不安ゆえ、ますますその看板にすがろうとする。親子して□□中学や□□高校であることを誇示する。
30代のある男性は苦い思い出を語ってくれた。「C中学に合格したとき、父親は鼻高々でした。学校の行事やPTA活動にも積極的に参加してくれました。“C中学に通っている”息子が自慢だったのです。でも私は東大に合格できませんでした。浪人しても早慶にも入れませんでした。すると父親は私と口をきいてくれなくなりました」。
なまじ息子が“できた”がために、その結果得られた学校ブランドばかりを見て、ありのままのわが子を認める親としての本当の強さを涵養できていなかったのである。それで、受け入れがたい状態にある息子を“なきもの”として無視してしまったのだ。
12/20(金) 8:01配信 現代ビジネス 全文はソース元で
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191220-00069326-gendaibiz-life&p=1