1 :2019/10/10(木) 16:55:35.25 ID:y+OIE1qm9.net
FAVRICが開かれた幕張メッセ(千葉市美浜区)では、前日にモデルやタレントが登壇する他のファッション音楽イベント「ガールズアワード2019」が行われた。一方のFAVRICは、同イベントとステージは同じだが10組のバーチャルアーティストが登場した。燃えるスカートやアルゴリズム的に成長するドレス、VR(仮想現実)空間の天候に干渉する和傘と着物などのVRファッションが披露された。
VR空間では現実世界の物理制約がなく、衣装そのものにデータや思想、演出を埋め込める。周辺環境や観客との連動も可能だ。イベントを主催したファブリックユニオンの福井康介プランナーは「第1回の試みとして衣装デザインから3Dモデル制作、現物の衣装製作の工程を実践した」と説明する。
実際に製作した衣装はVRのように成長することはない。VR空間でのある瞬間を具現化し、現物として世に残す。現実の衣装を写真や動画でデータとして残すことは多々あるが、変化し続けるVRと、それを現物で記録するという新たな価値が生まれている。
FAVRICは5100人が来場し、8万人がネットで閲覧した。Vチューバーの活躍の場が広がることを裏付ける象徴的なイベントだった。
アバターの配信技術は低廉化しており、今後はさらにさまざまなイベントに誰でも参加できる環境が整いつつある。
■スマホだけで配信可能に
IVR(東京都千代田区)はスマートフォンだけで3Dアバターを制作し、振り付けして配信するシステムの開発を進める。スマホのカメラで演者の表情を認識し、アバターの表情に反映させる。アバターの髪や衣装は動きに応じて自然に揺れ動く。表情認識や描画、揺れ生成、生放送をスマホ1台で実現する計画だ。IVRの大鶴尚之取締役は「スマホで完結すれば誰でも配信できる。外見に縛られず自由な表現ができる」と強調する。
自身がタレントにならなくても、会員制交流サイト(SNS)のアカウントやハンドルネーム、ソーシャルゲームのアイコンと同じように、複数のマイアバターを着回して社会に参加する未来も夢ではない。実際の生活で髪形や服装、身だしなみを気にするように、1億総アバター時代はお化粧感覚でアバターを着替えて社会に出るかもしれない。
■市場に上限 費用対効果で苦戦 タレント業の次模索
Vチューバーの課題は、異分野とエコシステム(協業の生態系)を築き、新たな活用の場を増やすことだ。アバターは生身の人間とコストを比較され、そこに各業界が抱える問題が加わる。例えばバーチャルアイドルのタレント活動は生身のインディーズアイドルと似た道を歩んでおり、コアなファンが収益を支えている。限られたファンから大きな金額を集めるビジネスモデルは、ファンの飽きや離反がリスクだ。このリスクをキャラクターや演者の増加で補うと競争が苛烈になる。競争に負けじと倫理観のないコンテンツが増えると業界全体の評判が落ちかねない。限られたファンに支えられる市場は上限が見えつつある。
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