1 :2019/10/05(土) 21:35:36.12 ID:ZuxGf2Tv9.net
売上高2643億円(前年同期比4.1%減)、営業利益143億円(同0.3%増)と、減収増益で着地。
売上高、営業利益ともに期初の会社計画を下回り、同期間では2期連続で減収となったが、わずかながら3期ぶりの増益は確保した。
「在庫がかさんで値下げせざるをえない、という悪循環は断ち切れた」。
同日東京都内で開催した今上期の決算説明会において、しまむらの北島常好社長は状況をこう総括した。
■店舗数が増える一方、客数は減少
利益の下げ止まりに寄与したのは、在庫効率化を進めたことによる値引き処分の減少だ。
婦人服を中心にシーズン初めの在庫投入量を減らす一方で、売れ筋を見極めて期中に追加生産する商品の割合を拡充。
前期に乱発した数十円、数百円といった過度な低価格セールや、チラシ持参での値引きキャンペーンも廃止した。
これらの結果、上期における主力業態「ファッションセンターしまむら」の客単価は、前年同期比で1.2%上昇した。
会社全体の粗利益率も、33.3%(前年同期比1ポイント増)に改善した。
利益は底打ちしたものの、今回の上期決算で浮き彫りとなったのが客数減の深刻さだ。
売上高の約8割を占める「ファッションセンターしまむら」では、店舗数が増えているにもかかわらず、
全店ベースの客数は前年同期比6.1%減と大幅なマイナスに。
昨夏頃から顕著となった客数減は、深刻度合いを増している。
「天候不順が、春の行楽需要や初夏の立ち上がりに大きく影響した。
天候が崩れても一定の売り上げを確保できる商品群を開発しないと、今後はなかなか厳しい」(北島社長)
だが、その落ち込みぶりは天候要因だけでは説明しきれない。
確かに、天候不順に見舞われた4月と7月の既存店売上高は前年同月比10%以上の減少と突出して悪かったが、客数については、3月以外のすべての月が3%以上のマイナスとなっている。
過度な安値セールを減らしたため、客単価が上がった反面、客数が伸びなかった側面はあるだろう。
■失われた“しまむららしさ”
しかし、客数減の主要因として考えられるのが、顧客離れの長期化だ。
しまむらでは2015〜2016年に、PB(プライベートブランド)商品の「裏地あったかパンツ」や「素肌涼やかデニム&パンツ」が大ヒットした。
が、その後は集客を促すような新たな人気商品を生み出せていない。
1つの品番で大量に売れるPBがヒットするかたわら、売り場の整理やアイテム数の絞り込みを進めすぎてしまい、
多種多様な商品が雑多に混在する“しまむららしさ”も徐々に失っていった。
安さだけでは購買を訴求しづらい、消費環境の変化も追い打ちをかけた。
ちょうど1年前、2019年2月期上期(2018年2〜8月期)の決算説明会で、北島社長は「(販促を行っても)客数がそれほど上がらなかった。
消費者による『要不要の選別』が厳しくなり、安売りをすれば客数が上がるという方程式が以前ほど確実ではなくなった」と話していた。
前期に実施した「1400店舗記念セール」や「65周年セール」では、140円のTシャツや65円の靴下などの目玉商品を用意したものの、客数の押し上げ効果は限定的だった。
現在のしまむらは、こういった選別意識の厳格化を背景にした顧客離れを食い止めきれずにいる。
状況打破に向け、1年半ほど前まで掲げていたPB強化の方針はいったん封印し、
婦人服のアイテム数を増やすなど売り場の再構築を模索している。
短納期で生産する商品も拡充。
加えて、昨年8月に新設した市場調査を専門的に行う部門で、トレンドの変化や他社商品の分析を徹底し、ヒット率の高い商品企画にも注力する。
だが、これらの施策は、現状で対応できることを手当たり次第に打っているようにも見える。
肝心のPBを含めた商品構成のあり方や、具体的な価格戦略についての明確な方向性は打ち出せていない。
「しまむらは成長戦略が定まっていない。
『そのうち、いつかまたよくなるだろう』という楽観した空気が感じられる」と、サプライヤーからは不安の声も上がる。
10/5(土) 5:20配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191005-00306640-toyo-bus_all