1 :2019/08/20(火) 11:03:35.08 ID:IguPmCd+9.net
建築エコノミストの森山高至氏が五輪会場を「将来性」「デザイン」「アスリート目線」「周辺との融和性」――の4項目(各25点、計100点)から評価する。
過激なデザインは実現可能なのか――。
一時は3000億円とまで予想された巨額の建設工事費だけでなく、建設実現性までが問題視された新国立競技場。
計画の見直しと再コンペという前代未聞の事態を経て11月末に完成する予定だが、当時指摘された問題点が解決しているとは言い難い。
●将来性=17点
施設維持費の試算は、旧国立競技場の約7億円の3倍強に当たる年間24億円。コンサート活用だけでは到底、捻出できない金額だ。公共サービスは広く国民全体の福利厚生を目的とするものであり、必ずしも黒字化の必要はないが、ここままでの財政負担は大会終了と同時に“負の遺産”確定となってしまうだろう。
●デザイン=18点
1964年の五輪では、新幹線や首都高速の開通とも連動した時代を象徴するような記念碑的建築物が建てられたが、新国立競技場にはそのような時代性は見受けられない。樹木を生かすというテーマが掲げられたものの、数十年で大きく育った神宮の杜の敷地樹木は切られてしまった。
しかも、木造そのものではなく、使用された木の素材は、鉄骨やコンクリート部材の表面を飾る薄板に過ぎなかったのだ。
●アスリート目線=12点
大会終了後は球技(サッカー)専用に改修し、民間活用に委ねるとしていたが、現在その可能性はなくなっている。引き続き陸上の聖地としてアマチュアスポーツ中心で活用できるのかというと、国際大会基準のサブトラックが併設されていないため難しい。
●周辺との融和性=14点
旧国立競技場では、旧日本青年館と明治公園にも連なる木陰や広場機能があった。貴重な都市のオアシスとして競技場周辺の道路も含めた都市的活用がなされていたが、現状はそうした他施設との連携機能も失っている。
■総合評価=61点
(森山高至/建築エコノミスト)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190820-00000011-nkgendai-spo