1 :2019/08/18(日) 22:37:03.16 ID:09fiBIll0●.net
木村草太の憲法の新手(110)いじめ防止対策 権限に応じ大人の責任 子どもに「傍観するな」は見当違い
近年、子どもに、いじめの「傍観者」とならないことを求める声が大きくなっている。
例えば、「いじめ防止対策推進法」(以下、推進法)に基づき文部科学省が決定した「いじめの防止等のための基本的な方針」(2017年3月14日最終改定)は、「学校は児童生徒に対して、傍観者とならず」「いじめを止めさせるための行動をとる重要性を理解させる」とする。
確かに、傍観者がゼロになれば、いじめはなくなるかもしれない。しかし、いじめ解消を子どもの責任にするのはあまりに危険だ。
子どもには、学校で何の権限もない。むしろ、加害者の反感を買えば、次のいじめターゲットになる危険がある。「傍観者になるな」との指導は、責任感ある子どもたちを追い詰めるだけだろう。
責任は、それを果たすだけの能力と権限がある者に課す。これが法の大原則だ。何の権限も与えられていない子どもに求めてよいのは、「加害者になってはいけない」ということまでだろう。
大人への通報など、いじめ防止対策への協力を求める場合には、通報者の秘密厳守、逆恨みによる攻撃からの実効的な保護措置(加害者のクラス替え、出席停止等)を約束せねばならない。
他方、いじめ防止の能力と権限を持った大人は、決して「傍観者」になってはいけない。大人には、それぞれが持つ能力・権限に応じて、果たすべき役割がある。
まず、校長や担任教員には、強制的な出席停止権限はないものの、教育指導権限や懲戒権限がある(推進法25条)。
したがって(1)強制力のない指導で解消するいじめへの対応は、担任や校長の責任だ。
次に、加害者に対する強制的な出席停止処分は、教育委員会の権限だ(学校教育法35条、推進法26条)。したがって(2)強制措置が必要ないじめは、教育委員会の責任で解消するしかない。
校長・担任は、必要に応じて、いじめ状況を教育委員会に報告し、権限行使を促すべきだ。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/459318
続きます