1 :2019/05/05(日) 09:54:56.00 ID:r0+X21Ub9.net
◆ 20万種近い未知のウイルスが海で発見される。これまで発見されていた既知のウイルスの数を上回るほどの数
海はまだまだ秘密を隠し持っているようだ。
海中で19万5728種ものウイルスが発見されたことがその証左だろう。
専門家によれば、その大多数がこれまで知られていなかったものだそうだ。
これまで、既知の海のウイルスが1万5000種程度だったことを考えれば、今回の発見がいかに重要なものかわかるというものだ。
研究は、2009年から2013年の間に調査船タラ号によって収集されたサンプルを調べたもの。
その成果は海洋生物の進化から温暖化の影響までさまざまなことを知る手がかりとなる。
「ウイルスは目に見えないほど小さいですが、大量に存在するゆえに重要です」と米オハイオ州立大学のマシュー・サリバン氏は話す。
■5つの生態ゾーンに区分されるウイルスの分布
研究では、ウイルスの分布図が作成され、いくつものサプライズがあったという。
膨大な数で、しかも複雑な海という環境でありながら、北極・南極、ならびに温帯・熱帯の3つの深度という、5つの生態ゾーンにウイルスを区分することができた。
一見生物多様性などほとんど期待できそうにない北極海であっても生命のるつぼであったという事実は、ウイルスがどのように地球上に拡散したのか理解を深める手がかりとなる。
推定によれば、海には数千万種ものウイルスが潜んでいる。
だが意外にもその多くが地上にもおり、それどころか人体で見られるものもいるという。
これらについて知ることができれば、海の生命だけでなく、生命そのものの理解が深まろうというものだ。
■目に見えない小さな生き物が大気の循環に大きな影響を与える
10年以上も海の調査を行ってきたタラ号のデータはきわめて包括的なもので、大気に含まれる酸素と二酸化炭素のバランスを正確に計算するためにも利用することができる。
海には大気に含まれる二酸化炭素が溶け込んでくるが、その後の酸素のリサイクルに協力しているのは海洋生物なのである。
海中に生物が多ければ、それだけ有機炭素とバイオマスに転換される二酸化炭素が増える。
すると海洋の酸性化が抑制されることになる。
海洋が酸性化すれば、海洋生物は命の危険にさらされるが、そのメカニズムはデリケートかつ複雑だ。
「ウイルスの分布図は、海の”炭素ポンプ”を理解することにつながり、それは惑星全体に影響する地球生物化学についても教えてくれます」とサリバン氏。
これまで海の生態系の仕組みについて、微小な生物は無視されてきたが、それらも決定的な働きをしているのである。
研究は『Cell』(4月25日付)に掲載された。
カラパイア 2019年05月04日
http://karapaia.com/archives/52273901.html